さっそくの初期トラブルである。と言っても「どっかが壊れて動かなくなった」とかそーゆーのではない。
CRF250RALLYは、シートの取付に2本のボルトが使われているのだけど、そのボルトが左右2本とも「斜めの状態で無理矢理インパクトツールで締められていてネジ山が半分ナメていた」のである。もともとリアキャリアとリアケースは既に購入済で、GWを利用して色々弄ろうと思っていたのだが、純正状態では、
自賠責etcの書類ケースすらマトモに積載できない と、なんだかなぁという事実が発覚したので、前倒しでリアキャリアを装着する事にしたのだ。
どうやらシート下に挟む構造がメーカ推奨らしい(簡素な書類ケースにマジックテープが貼ってあり、その相手がシート下にある)のだけど、ボルトを外す工具とか普通持ち歩かないだろ……と思う。 もしかすると車載工具に入っているのかもしれないけど、問題はそうじゃないダロ?って個人的に思う。 タンデムシートの左下側に、鍵付の収納スペースがあるんだから、そこに入るように工夫しなさいよ……って事だ。エクステリア(造形)を優先させた結果だろうけど、だったら工具しか入らないよーな収納スペースに鍵つける意味も分からないよ。
という事で、慣らし運転に出かける前にちゃちゃっと装着してしまおうという魂胆だ。
だった、の、だが……。シートを固定してるボルトを外そうとしたのだけど……渋い。
この時点で俺は「あー工場のライン工がやらかしたな……」と半分確信めいた予感があった。
で、ボルトを抜き取ってボルトと車体に溶接されているナットを検査した。案の定。
ボルト山は半分ナメていた。
ナメて金属の地肌が出ていた部分は、半月弱の船便に耐えられなかったのだろう、真っ赤に錆びていた。ふむ。
現状は大枠把握できた。
考えられる対策は、ざっと2つ。
- 自分で適合サイズのタップを買ってきて、ネジ山を補修してしまう
- ディーラに持ち込んで、タップしてもらう。
手応えが結構怪しいから、タップしても完全に復活するかどうかは、ぶっちゃけ丁半博打だ。 で、タップ自体が1サイズ数千円と結構高額なのと、もし自分でやって失敗して完全にオシャカにしたら目も当てられないという理由で、素直にディーラに持ち込んで直してもらう事にしたのだった。
さくさくと元気な整備士さんがタップ切ろうとしてくれたのだけど、
- 思ったより重症で、タップで修復しきれない可能性大(つまりネジ山は瀕死だったという訳)
- 幸いにも、シートレールがフレームとは別体式なので、シートレールのみ交換ができる(もちろん初期不良なので無料)
という事で、シートレールの交換をお願いした。
この手の初期トラブルは、前に乗ってたドゥカティなんかじゃ非常に良くある事なので、俺的には何ら問題ない。
もちろん、無償修理だからってのが重要なのだけどwwそして。
CRF250RALLYはmade in Thailandである。
全部機械が組んでいるのなら、タイに工場がある必要はないのだから、多くは現地の人が手作業で組んでいると想像できる。話は変わるが、ライン工というのは日本ではとんでもなく高給取りである。
トヨタの正社員でライン勤務なら年収700万円。
これは、なんちゃってエンジニアの俺より4割近く高い額である。期間工でも月収は最低でも35万、途中で契約満了(という名のクビ)にならず、3年とか勤め上げるとボーナスも支給される(はず)。
プラス寮完備で無料、とか、メチャメチャ待遇が良い。その理由は簡単だ。その位の価値がライン工にはあり、彼らが会社の看板やプライドを背負って品質を守り正しく作業してくれなければ、高品質で壊れない日本車という評価は1瞬で地に落ちるからである。 これは一朝一夕では身に付かなく、地道に指導教化していかなければならないモノだし、『それ』を保有する人が貴重で辞められると工場が止まってしまうから、高給を払って人員を確保しているのだ。
昔の自動車ライン工は肉体労働だったけど、今は重たい部品は機械が持ち上げてサポートしてくれたりするので、大変なのは品質守る事と、ラインを止めずにトラブルに対応する事である。 昨今、介護業界で安月給だ、とか、マトモにやってたら終わらない、とか、色んな問題が噴出してるけど、ライン工の給料を下げたら、車メーカだって同じ事が間違いなく起こる。
という前提で考えると、もちろんこんな初歩的なライン工のミスは、メーカとしてあってはならないんだけど、同情はできる。何故なら……
俺が新卒で入社した会社(とっくの昔に経営危機になって系列企業に吸収され、既に跡形も残ってない)で新人研修でライン作業が1ヵ月あったのだけど、
- 作業工程表には1台:5分40秒と記載されている。
- 実際には2分に1台のペースで流れてくる。
- 新人の俺だと、どんなに真剣に全力で集中してやっても2分30秒かかる。
ここから言えるのは、
- 作業工程表が現実とメチャクチャ乖離してんじゃねぇか!>工場の運営が、そもそもヤバい。
- そんな修羅場の場所に、新人ぶち込むなや!>研修で地獄見せる必要どこにあんだよ!
- どんだけマジメにやっても間に合わないなら、必然的に手抜きもするし、ミスってもそのまま次工程に流すわな。
- 俺の場合、最終検査で10台に1台位の割合で不具合検知されて、偉い人から「ちゃんとやれ」って言われた。
- けど実際には、10台に1台じゃなく、10台中9台が弾かれなきゃいけないレベルで組んでた>俺も工場も色々ヤバい。
- あ、俺は工場勤務は無理だな……と悟って、配属面談の時に第1:設計、第2:品証と書いて出した。
- 面接担当から「第3は?」と聞かれたけど、「ありません」と答えた(後で同僚に聞いたら皆同じ質問されて、渋々「工場」と答えたらしい)
という事。
自社でライン持って製品組み立ててるって時点で、割と大きな会社だと察していただけると幸いです。
従業員数は当時3000人以上いたから、倒産とか、グループ企業再編とか、になるとニュースになるレベルですね。実際のところは、親会社様の事業継続に必須な化学系の生産設備と特許を持っていたんで、倒産する事はなくグループ企業に吸収されました。
けど、化学系を除く……つまり本社、製品開発、品証、組立工場は、3年待たずに全部閉鎖されて、吸収したもらった会社の各部署に異動だったみたいです。
なお、化学系の工場は、一旦他と同じようにグループ企業に吸収されましたが、閉鎖されるどころか会社分割して親会社様直轄の子会社になってましたwww 設計部門とは雲泥の差ですね。と、まぁ待遇が悪けりゃ日本人だって手抜きするし、そもそも人間が作業してるんだものミスだってあるよ、って話でした(長いので折り畳みました。読まなくてOK)
蛇足だけど。
日本車メーカはライン工に35万とか払って現場維持してるんだもの、介護業界とか月収15万じゃそりゃ現場崩壊するよね……とも思う訳。という事で、シートレールが入庫するまでは、騙し騙し……というかシート脱着作業を伴うカスタムは避けるっつーか後回しにします。
シフトインジケータ(何速に入ってるか)を付けたいのだけど、シート下のカプラに刺さないといけないらしいので、シートレール交換するまで我慢します。
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